2009.12.16 Wednesday
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2008.06.17 Tuesday
成瀬巳喜男「夜ごとの夢」
JUGEMテーマ:映画
久しぶりに映画館で映画を観てきました。
私は金井美恵子さんの本が好きでよく読むのですが、エッセイによく成瀬巳喜男の映画やアテネフランセに行く話が出てきます。それで、成瀬巳喜男の映画が観たいなーと思いつつ今まで縁がなかったのですが、5月末にアテネフランセで成瀬巳喜男の「夜ごとの夢」を上映すると聞き、初アテネ・初成瀬だと興奮気味で水道橋まで行ってきたのでした。
「夜ごとの夢」は古い映画です。なんとサイレントでした。
サイレント映画ってはじめて観たのですが(はじめてづくしだね!)、意外と早くセリフ画面が消えてしまうので追っかけるのが大変でした。私が読むの遅いだけ・・・?
映画のストーリーを乱暴にまとめてしまうと、美しく強いヒロインと優しいが傷つきやすいその恋人のつかの間の幸せと悲劇というこれぞメロドラマな物語です。ああ、実はアタシ、メロドラマって大好きなの(笑)!
噂には聞いていましたが、成瀬監督が撮る女性は自分と同じ人間とは思えない美しさですね。顔立ちがどうこうというレベルではなくて、風に吹かれて立ってるだけで美しいというか、ヒロインのまわりだけ明らかに「光」が違うんです。ヒロインを演じる栗島すみ子さん自身が発光しているように見えました。
劇中、カフェの女給をしているヒロインが「わたしみたいなスベタ・・・」というセリフがあるのですが、「あなたのように美しいお方がスベタなら、私なんて酢豚・・・。」と心から思いました(笑)。
それにしても、ラストは悲劇なのに、観終わったあとのこの幸福感は何故なんでしょうね・・・?このあたりが成瀬監督の凄さなのかしら??
「アテネは雰囲気が怖い。」という話を聞いたことがあるのですが、実際に行ってみて、「ああ、なるほど。」と思いました。アカデミックで雰囲気のある建物が古くなると独特の迫力がでてきますからね・・・。古い大学病院とかのあの感じ。私はアテネの雰囲気嫌いではないですが・・・。ただ、日仏学院のほうが建物全体が白っぽいのと、庭があるせいで解放感があるかな?エスパス・イマージュのスクリーンも大きいし。
成瀬巳喜男の映画、予想通りはまりました。他の作品も観てみたいです!