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ヘソ出しの形而上学(前編)〜現代美術家・大塚聡序論(3)〜
JUGEMテーマ:アート・デザイン

だいぶ時間が経ってしまいましたが、大塚聡序論、しぶとく再開です。

芸術の本質とは何でしょうか?
「キャンパスの上に描かれた記号」が「作品」になるためには何が必要なのでしょうか?

私は美術を専門に学んだことはなく、仕事にしているわけでもありません。あまり偉そうな
ことは言えないのですが、もし私が答えるとすれば、芸術の本質とは「強迫」と「偏執」と
いうことになります。

次の作品をご覧ください。

*1992年の作品・その1


大塚さんは「身だしなみの悪い子供」に執着があり、「ズボンから下着がはみ出している
子供」「ヘソが見えている子供」をモチーフにした作品を少年の頃からたくさん描かれています。

*1992年の作品・その2


大塚さんにとって「ヘソ出し子供」は「悪趣味な常識」の象徴であるらしいのですが、
正直、私には大塚さんのこだわりが理解できません。

*「小熊のハウアス」より


・・・ヘソだしの子供・・・私は普通にかわいいと思っちゃうんですけどねぇ・・・。

大変失礼な話なのですが、大塚さんには幼児愛傾向があって、欲望の対象として
「ヘソを出した少年(あるいは少年に擬人化された動物)」を描いているのかと
思っていました。ところが、私のこの低俗な推測は大塚さん本人の口から完全に
否定されました。

大塚さんはあくまで「身だしなみの悪い子供」という「現象」に興味があり、そこに
性的な意味合いは存在しないということでした。

*アイデアノートより(1993年)


大塚さんはなんと、ただ描いてるだけでは飽き足らずに、ヘソだし子供の美学的
研究をしようとしています。すげーな。この研究、完成させて欲しいです。

こうなってくるとなんていうかもう、
子供の「ヘソ出し」「パンツ出し」の形而上学的研究といった趣です。
大塚さん、あなた様についていける人はそうそういないでしょうよ(笑)。

(続く)

大塚聡・公式ブログ
妄想印象派 あるいは、東京藝 術病院:多摩美術病院

【関連エントリー】
- 無垢なる悪趣味/常識の転覆〜現代美術家・大塚聡序論 (2)〜 | 恋の神風
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ご無沙汰しています
JUGEMテーマ:アート・デザイン
 
ご無沙汰しています。
更新サボってごめんなさい。

ちょっと仕事が忙しくて、大塚さんの連載が中断状態です。
必ず完結させますので、もうしばらくお待ちください。

私にはtwitterのほうが向いてるのかなあ?でも、長々と
書きたいこともあるしなあ・・・。
そもそもtwitterって面白いのでしょうか?Wikiの説明読んでも
あまり楽しそうに思えないのですが・・・。

しばらくの間、twitter風"つぶやき"投稿になるかもしれません。
記事の投稿はさぼっても、いただいたコメントには早めに返信しますので、
これからもよろしくお願いします。

今日は「束の間の休息」という感じなので、最近買ったものの紹介
でも。

こんな本を買いました。↓↓↓

うーん、このビジュアルはかなりツボ。私が今住んでるとこもかなりの
レトロ物件だけど、やっぱり何かが違う(え?住んでるヤツのセンスが
悪いから、だって?)。レトロ平屋っていいなあ。

米軍ハウス、一度は住んでみたい。しかし、どうすれば入居できるのか?
コネとツテが物言いそうだよなあ、こういう物件って。福生あたりの
不動産屋さんに相談するといいのかしら?
目からウロコの読書 | comments(0) | trackbacks(0)
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無垢なる悪趣味/常識の転覆〜現代美術家・大塚聡序論(2)〜
JUGEMテーマ:アート・デザイン
 
「ドゥーティ君」はサービス精神に溢れた親しみやすいチャーミングな作品でした。
しかし、「童貞宇宙人」は大塚聡入門編、あくまでウォーミングアップ的位置付けの
作品です。今回以降は悪趣味作家の本領発揮な「取り扱い注意系作品」を鑑賞してい
こうと思います。

今回ご紹介するのは「ソンなところでアンなことを!野外でイチャつくバカップル」
をフィーチャーした作品です。

*「目撃」 1991〜1994年


ウサギの彼氏が彼女と野外(おそらく公園)でイチャイチャしています。そして、
出歯亀オオカミ君がその現場を文字通り「目撃」しています。一見、ドゥーティ君と
同様のファングロ路線のお茶目作品にも思えますが、「目撃」はもう一歩踏み込んだ
解釈の可能性を秘めた作品であるという点で、「ドゥーティ君」とは一線を
画しています。

絵を描くという行為(それよりももっと広い意味で何かを表現するという行為)
は、作者の内面を白日のもとにさらけ出してしまうという部分があります。
それは必ずしも美しい世界ばかりではなく、時には他人には知られたく
なかった暗い情念を自分自身の手で暴きたててしまうような結果になることも
あるでしょう。「表現」を鑑賞するということはキャンバスの上に剥き出しにされた
作家の内臓を赤の他人である鑑賞者が無言で見つめ、批評するということでもあり、
考えようによっては傲慢のようにも、なにやらエロティックな色彩を帯びた行為
のようにも思えてきます。

さて、「目撃」という作品の中に出歯亀は何人いるでしょうか?
「オオカミ君一人だけ」というのは不正解で、鑑賞者である「(無数の)私たち」
もまた、オオカミ君同様にカップルの愛の現場を「目撃」しているのです。

「目撃」に描かれている行為は木々の間から覗いている「第三者の視点の存在」とい
う一点を除けば、無数の人々によって幾度となく繰り返されてきた日常的な行為であり、
エロは視られるからエロいのであって「視られること」よりも「視ること」
にエロティシズムの本質があるということを暗示しているように思えます。

「衆人環視の中で濡れ場を演じるカップル」と「その状況を描いた画家」、
そして「描かれた状況」を覗いている私たちでは、誰が最も「悪趣味」だと言えるのか?

鑑賞者に「覗き」という行為を疑似体験させることで、「グロテスク」と「ファンシー」の
融合という表層的な意味を超えて、「目撃」という作品は「本当にエロいのは誰だ」という
問いかけを発しているのです。

公然とイチャつくウサギの恋人たちは確かにバカップルなのでしょうが、「原始的
欲望に忠実な無垢な存在」と考えることも可能かもしれません。「覗かれるカップルが
ウサギで覗いている出歯亀がオオカミ」という構図は、見た目の面白さだけでなく、
「多くの場合、ウサギは同情と共感を集める存在である」ということも手伝って、
「悪趣味な良識」と「無垢なる悪趣味」のせめぎ合い、すなわち「常識の転覆」
を描くという試みを成功させています。

<「視ることのエロス」を表現した珠玉の2作品>

まずはこちら、「鑑賞者」の頭の中にエロの本質があるということをエレガントに
描いた作品

*「理不尽」 1993年


続いては、「隠すとエロい」という真実の暴露

*「ドリームクラッシャー」 1994年


人間とは、「倫」の下に隠されたものをついつい想像してしまう
生き物」
ですね!

次回は「無垢なる悪趣味」の預言者・大塚聡の「オブセッショナルな偏執の世界」を
観ていきたいと思います。

大塚聡・公式ブログ
妄想印象派 あるいは、東京藝術病院:多摩美術病院

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ターナーギャラリー「ヒーロー展」+現代美術家・大塚聡序論(1)
JUGEMテーマ:アート・デザイン 

池袋から西武線で2つ目の「東長崎」にあるターナーギャラリーで7月の
終りから「ヒーロー展」という展覧会が開かれており、大塚聡さんが
新作「ふつうマン」を出品するというので観に行ってきました。

*ねずみも気になる展覧会


「ヒーロー展」自体は多摩美術大学の学生を中心とするアーティスト・グループ
「オル太」の企画展であり、大塚さんは今回ゲストとして呼ばれたのだそうです。

去年の10月の武蔵小金井ARTLAND「認識コア」以来の展覧会ということで、
新作ももちろん楽しみなのですが、ヒーロー展では過去作品をまとめた作品
ファイルも見られると聞き、そちらも楽しみにしていました。

大塚さんはミズマアートギャラリーを拠点に作品を発表されている作家なの
ですが、大量の未発表作品があるらしく(勿体無いことです・・・)、作家本人に
とっては「旧作」でもファンにとっては「新作」という作品がたくさんあります。
新作「ふつうマン」とあわせて、そんな「古くて新しい」作品群の中から、
特に印象に残った作品をこれから数回に分けてご紹介していきたいと思います。

*******
この記事を書くにあたって、大塚さんご本人から作品画像の使用許可
をいただきました。お忙しい中、ありがとうございました。
*******

まずは「西荻ビエンナーレ」に出品され、「認識コア」でも紹介された
「童貞宇宙人ドゥーティ君」です。

*史上初(たぶん)の童貞ファンシーキャラクター
 「童貞宇宙人ドゥーティ君」(2004〜2005年)



宇宙人に「童貞」という概念があるのか?という問題はおいといて・・・

*ドゥーティ君はTシャツになっています。
 (ユニクロさん、商品化しませんか?)



*背中にはキャッチコピーの「童貞宇宙人」がプリントされています。
ドゥーティ君はオクテなんだか開き直っているんだか、よくわからない子です(笑)。


「童貞宇宙人ドゥーティ君」は大塚さんお得意の「ファンシーなイメージとグロテスクな
欲望の結合=ファングロ」シリーズの作品のひとつとして、笑えるアートを無邪気に
楽しむのもアリだと思うのですが、面白いだけではもったいない「恋愛至上主義・
モテ至上主義な世の中」への攻撃の意図を感じてしまったと書いたら、深読みの
しすぎだと言われてしまうのでしょうか?

*トボけた書体に逆に攻撃性を感じる


「常識の破壊」が大塚さんの作品の基本的なテーマであるのは間違いなく、
その中でも題材に「恋愛格差・モテ問題」を選んだものは大塚聡ビギナーにも
わかりやすく、かつ毒気のボルテージも高い傑作が多いと思っています。

次回も引き続き、「恋愛格差」を標的とした、ファングロ路線の作品をご紹介します。
今度は「だめんず」や「バカップル」にロックオン!しますよ。お楽しみに。

(続く)

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夏、レトロ・ロマンティック
JUGEMテーマ:アート・デザイン

  日本赤十字社の記念切手がとてもカワイイので、つい買ってしまいました。
「レトロかわいい」大好き!!



↑このナースさん、なんだか不思議なポーズをしていますが、
それもまたお茶目でかわいいです。

昔のナース制服ってかわいいですよね。
日赤病院にはなんどか通ったことがありますが、ナースの制服は
こういうのではありませんでした・・・あたりまえ?でも、ナースキャップ
に赤十字くらいはついててもいいような気がする。

イトーヨーカドーの夏物バーゲンで、ナース服風の白いワンピースが
売られていて、思わず買いそうになっちゃったよ。

レトロ・ロマンティックといえばこちらも気になります。

*ニューオータニ美術館「小林かいち展」*


これぞまさしく、「懐かしくて新しい」。いいなあ、小林かいち。
中原淳一・内藤ルネなどの再ブームで、すっかり定番になった感の
ある「レトロおしゃれ」「レトロかわいい」ですが、まだまだ埋もれた
作家がいたんですね。
ホテルニューオータニの美術館というところがまたいいですね。
おめかししたマダム達に混じって観に行きたいです。


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